長尾美紀のブログ

全てを賭けて

ただ受け止めることの難しさよ

今朝、犬の散歩で目にしたある事が、しばらくわたしの心をいっぱいにし、やるせなくなって、泣きながら帰宅しました。

 

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帰宅した私に、朝から庭掃除に来てた母(実母77歳)が、いつものようにネガティブワールドな話をしてきました。

 

もうすぐ母の住んでるアパートの更新手続きがあります。家賃を出してるはうち(私の夫)。更新料もうち。アパートの管理会社が変更され、それに伴い、火災保険は管理会社から一括で入ることになりました。その支払いもうち。

 

前の火災保険の満了が今年6月まで。新しい保険が今年3月から。なので、3ヶ月分の保険料が無駄になります。

 

で、特にうちとしては管理会社に金返せとか言わないわけですよ。だって仕方ないから。

 

なのに、お金を出していない母が余分なお金について「くやしい」だの「勝手に一括で火災保険に入るのやめてほしい」だの、朝から怒ってるわけですよ。

 

私としたら「?」なわけで。

 

お金出してないのに、何を怒ってるの?

それを怒ってどうにかなるの?

 

例えば管理会社に連絡して、

 

「前の保険期間が6月まであるから、新しい保険は6月からにしてほしい」

 

とか交渉するならわかるけど、それはいう気はないらしい。

 

ひたすら愚痴。

 

で、私は

 

「それお母さんは痛い思い一つもしてないから、関係ないよね?」

 

「うちはそれを管理会社に言おうとも思わない。」

 

「じゃ、お母さん考える必要なくない?」

 

と。

 

はぁー。もう毎度のパターンなの。

 

なので、はい、スタート。

 

「お母さん、お金払ってないから関係ないじゃん。」

 

「そんな事考えるより、楽しい事考えな。」

 

「山登り、楽しいでしょ。」

 

「美味しいもの食べたいとか、考えたら?」

 

「お母さんは自分なんてって言うけど、あなたは一人じゃない。私や私の夫、義父という大勢に守られてる。」

 

「だから、そんな事で悩まないで。」

 

(この間もネガティブな発言は続きます)

 

「お母さんはさ、いるだけでいいんだよ。」

 

「元気で楽しく過ごしてたら、それでみんな幸せなんだから。」

 

と。

 

まだまだたくさん伝えましたが、こんな感じで、母親を褒めました。

 

そして、はたと気づきました。

 

朝、犬の散歩で見た光景に対する私の感情と母の感情は全く同じだったんです。

 

それは

 

自分では、力の及ばない事への憂い。

 

ここからは、やや刺激的な内容ですので、自己責任でお読み下さい。

 

 

私はベジタリアンでもないし、めっちゃ肉食だし、ジャンクフードも添加物も普通に食べます。

 

しかし、朝から見た光景は…

 

近所の、山から続く植木屋さんの土地に設置された、イノシシをとる仕掛けの檻の中に、若い可愛い鹿が入っていたのを見てしまったのです。

 

最初は「可愛い」だけでした。

 

しかし、その先の鹿の運命を考えると、安易に想像できました。

 

近所の犬友のおじさんが通ったので、それを聞いてみたら、おじさん曰く、植木屋さんの土地なので、然るべき対応がされると。

 

私は見なきゃよかったと。

 

普通に肉を食らうのに、若い鹿の行く末を思い、涙が出ました。おかしいね。

 

そして、

 

私が何かできるわけではない。

仕方がない。

 

と言い聞かせました。

しかし、涙は止まりません。

 

まてよ、

然るべき対応は「逃す」かもしれない。

イノシシなら処分されるかもしれないが、鹿は解放されるかもしれない。

 

と、私とは全く無縁のこの問題に、一人考えを巡らせていました。

 

そして、

 

「私はあの鹿が殺されるのが嫌なんだ。」

 

と私の感情を抱きしめました。

 

そして、母との会話。

 

「余分な保険料が嫌だ」と同じだなと。

 

抱いた感情は仕方がない。

それを本人が感じきるしかない。

 

母も保険料が無駄になったことが嫌なだけ。

私は鹿がどうこうなるのが嫌なだけ。

 

その感情は人がどうこうする事はできない。

ただ感じて、サヨナラするしかない。

 

母をすぐ責めたくなるけど、

責める必要はない。

 

母の気持ちを

ただ受け止めればよかっただけだ。

 

私は反省なんてしない。 

次に生かそう(笑)