教えたくないお酒
あぁ、今日のお酒は教えたくない。
なぜなら、私がここぞという時にサプライズでプレゼントするお酒だからだ。
なので意地悪だが、名前は最後に紹介しよう。
まずはヒントを。
それは、果樹酒だ。原産はフランス。ボトルがおしゃれ。
あぁ、やっぱりこれで終わりにしたい。
でもまぁ、それでは話にならないので続けよう。
そのお酒との出会いはこうだ。
私たち夫婦にはお仲人さんという存在がいる。社会的にも立派な方だ。毎年、元旦に家族揃って年始の挨拶に行く。
すると、お屠蘇から始まり、大吟醸などの日本酒、シャンパンやロマネコンティなど、ありとあらゆる種類のお酒を出してくれる。
料亭から取り寄せた豪華なおせち料理を頂きながら、私はここぞとばかり飲む。
そして、毎年必ず知らないお酒を飲ませてくれる。その中の一つが今回紹介する果樹酒だ。
まず見た目よし。女性が好むボトルのデザインだ。
そして味も裏切らない。フルーティで飲みやすい。ジュースとまではいかないが、サラッとしている。
一人でボトルを空けられる自信がある。
さらに言うと梅酒に近い。いや梅酒だ。フランス産の梅酒だ。あぁ、答えを言ってしまった。
でも日本のそれとは違う。
どことなく上品。
なのでプレゼントに最適だ。
なんと日本メーカーが販売している。
サントリーだ。
「プラム リキュール ド フランス プルシア」
酒屋に置いてるかどうかはわからないが、ネットで買える。
はい、終わり。
っていやいや。
そんな事で、毎年楽しみにしているお仲人さん宅訪問だったが、ここ2、3年はもうご挨拶に行っていない。
高齢になられて、私たちの相手ができなくなったからだ。
でも、私は古き良き日本のお正月をお仲人さん宅で学んだ。
まず門に国旗掲揚。そして門松。
床の間にはお軸。さらに大輪の菊が生けてあり、長い柳も垂れている。
お屠蘇も本格的。朱塗りの三段重ねの盃で頂く。
お仲人さんは和服だ。私は毎年その時の一張羅を着る。
そして、私達家族以外にも何家族か呼ばれ、それはそれは賑やかだ。
そんな中、私はひたすら酒を飲む。
それがお正月恒例だった。
だが一つの時代が終わろうとしている。
純日本空間で頂く「プラム リキュール ド フランス プルシア」は格別だった。
そんなプルシアと私の特別な思い出。